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私にとってジュエリーは美しく飾ってくれるだけのものでは無く、守ってくれるような、勇気を奮い立たせてくれるような、 鼓舞してくれるような存在です。
私にとってジュエリーは美しく飾ってくれるだけのものでは無く、
守ってくれるような、勇気を奮い立たせてくれるような、鼓舞してくれるような存在です。
そんなお守りであり、身につければパワーを増幅してくれるジュエリーにふさわしいモチーフは何だろうと考えるうち、12星座に辿り着きました。
どの星座を選ぶかは人それぞれ。自分の星座だから。
好きな人の星座だから。
好きな動物、好きなモチーフだから。
選ぶ動機は何であれ、身につければその人の支えとなり勇気となり守ってくれる。
そんな存在になって欲しくて一つ一つデザインを吟味し、細部まで精緻に作り上げました。
大小のパールを寄せ集めた時に、ふと羊毛みたいだなと思ったのです。
それが心に残っていたのか、12星座をデザインするにあたり、最初にデザインしたのがこの牡羊座でした。
ギリシャ神話に登場する牡羊座のモデルは黄金の毛を持つ羊ですが、パールのまろやかな輝きは柔らかい羊毛を表現するのにぴったり。
敢えてカールする羊毛部分はパールで、顔はゴールドで表現しました。
顔の短毛は洋彫りで再現しています。
羊の神秘的な瞳を表現したくて、ダイアの留め方にも細心の注意を払いました。
首に下げているのは牡羊座の星座石、ガーネット。
牡牛をジュエリーで表現するにあたり、山羊と似通ったイメージにならないように心がけました。
同じブローチだと雰囲気が似てしまうかしら。。。そこで誕生したのが、ブローチでなくリングの牡牛。
ギリシャ神話では牡牛座は、ゼウスが美しい乙女エウロパの元に、駆けつけた時の姿とされています。
その牡牛は白く美しい姿だったそうで、毛並みをホワイトゴールドで表現することにしました。
モデルは牡牛ですが、敢えて子牛のような優しく若々しい印象にして、身につけやすい雰囲気に仕立て上げました。
リングで身につけるには主張が強いな。。。と感じられる時には、ツノに紐を通してペンダントとしても楽しめます。
首から下げたベルは、星座石のエメラルド。
年に一度の展示会の度に、2点づつ新しい星座モチーフのジュエリーを発表してきました。
この双子座は最後に着手した一品。
自分にとってデザインしやすいモチーフから手掛けてきたため、この双子座はとても苦労しました。
双子をどう表現するか。。容姿は子供であっても可愛らし過ぎず端正な印象を目指し、たどり着いたのがギリシャ彫刻。
神話によればカストルは人間、ポルックスとして生まれたそうで、戦いの最中、人間のカストルは亡くなってしまいます。
神であるポルックスは不死身なので、カストルとの別れを痛く悲しみます。
そんな二人の悲哀を表現するにもギリシャ彫刻はぴったりでした。
二人の表情も微妙に変えて心情の違いを表しました。
蟹座をデザインする時には幸運を招くシオマネキ、その中でもルリマダラシオマネキをモチーフにしたいな。。と思っていました。鮮やかな瑠璃色に、豹紋を思わせる黒い模様が美しい甲羅を持つシオマネキです。
その美しい文様を金属で表現するために、イエローゴールドを黒色に染め上げ、瑠璃色に当たる部分の黒色を取り除いて柄を再現しました。
片方の爪が大きく、その爪を高く掲げて歩く姿は確かに何かを呼び寄せているかのよう。しっかり幸運を招き寄せてくれるよう、爪は微かに動くように作りました。爪が挟んでいるのはラッキースター？その中心には星座石のアクアマリンを施しました。
星座のデザインを描く時はギリシャ神話を読んで参考にすることも多いのですが、蟹座はヘラクレスが怪物を倒すのを邪魔したそうで、あまり良い事が書かれていません。蟹座さんには申し訳ないのですが今回はシオマネキに登場してもらいました。
獅子座のモデル、ネメアの獅子は剣でも貫けない硬い毛皮と鋼鉄の牙を持っています。
そんな屈強な獅子を表現したくて、咆哮を上げる横顔に太陽の輝きを思わせる鬣をあしらいました。
敢えて鬣の毛流はリアルにせず、ローレル彫りでジュエリーらしさを表現。
甘さを排した横顔のライオンは、ジェンダーレスに身につけていただけます。
鬣から下がるのは星座石のルビー。
実は乙女座にははっきりとしたモデルが存在せず、アストライアー、デーメテール、ペルセポネーの誰かなのではないかと言われています。
いずれにせよ女性をジュエリーにデザインする訳ですが、人をモチーフにして、その上男女問わず付けたい！と思っていただけるデザインに仕立て上げるのは、とても困難な作業でした。
カメオでは男性にはテイストが甘すぎるので、金属に乙女の横顔をレリーフで表現。
小さな場面に、髪のうねりやローレルのカチューシャを彫り込むのは至難の技でしたが、素材をシルバーにする事で黒く表面仕上げをする事が可能に。
ジェンダーレスにお使いいただけるよう工夫しました。
硬くなり過ぎないよう乙女座の星座石、トパーズはペアシェイプを選び、揺れるように配しました。
ギリシャ神話では女神アストライアーの持つ天秤が星座になったと伝えられています。
パンドラが箱を開けてから人類は争い奪い憎み合うようになりますが、アストライアーは地上に残りそんな人々に改心するよう進言し諭してくれました。
そんなアストライアーに想いを馳せデザインしたのが天秤座のブローチ。
端正な印象になるようデザインしました。
けれどただ天秤の形に作っただけでは面白味に欠けます。
そこで自立するように設計し、秤を動かす事に。
飾って楽しむこともできる一品となりました。
ギリシャ神話によれば、思い上がったオリオンが神々の怒りを買います。
神々は蠍にオリオンを刺すように命じ、オリオンは蠍に刺されて死んでしまいます。
その手柄で蠍は星座になったそう。
神をも息絶えさせる蠍は強く恐ろしいですが、リアルに作ると付ける人を選んでしまいそう。。。
そう思い、シルエットはリアルさを適度に、表面にはメレダイアをふんだんにあしらいジュエリーとしての魅力を放つ蠍に仕立て上げました。
贅沢な作りですがその反面、ダイアの輝きで印象がぼやけてしまうのが残念なところ。
そこで黒いディスクを下に敷くことで、蠍の美しいシルエットを際立たせることができました。
ディスクは取り外し可能なので、装いに合わせてお使いいただけます。
尾のワンポイントは、星座石のルビー。
こんもりとしたハートにはルビーがびっしりと。弓のサイドにはローレル彫を施し、シンプルでありながら密度のあるジュエリーになりました。
チェーンを外して使うこともできますので、意中の相手に矢の刺さったハートをプレゼント。なんてことも。
射手座のモデルはケンタウロスの賢者、キロンと伝えられています。
あらゆる学術に長けたキロンの元には、神々や王族が教えを求め、訪れたとか。
キロンに肖りたい、そんなシチュエーションにはこちらのブローチがお守りになってくれるかもしれません。
神話では、山羊座は羊飼いの神、パーンが変身し損ねた姿だそうで、怪物テュフォンから逃げる際に慌てて川へと飛び込み、変身したものの下半身は魚、上半身は山羊のままになってしまったとか。「なるほどだから星座図を見ると後ろ足が人魚のようなのね。」と思いつつジュエリーにデザインするには尻尾をどうしようかと悩んでいました。
そんな折、ふとサロンにある、マントルピースを模した棚に目をやりました。
「マントルピースの上にはハンティングトロフィーがあったら素敵だな。。。けれど本当の剥製はなんだか可愛そうだし。。。」そんなことを考えるうち、敢えて星座での山羊座の姿は忘れ、胸元を飾るハンティングトロフィーを思いつきました。
壁に飾るには小さ過ぎますが、胸元につければ誇らしげな表情を見せてくれます。
顔の細かな毛の流れも忠実に洋彫りで表現。
首から下げたネックレスがポイント。
星のセンターには星座石のサファイアをあしらいました。
水瓶座はゼウスが愛した牧童ガニュメデスが天に登った姿だそう。不老不死になったガニュメデスは神々に美酒を注ぐ役目を司りました。
美しい少年が神々の食卓で美酒を注ぐ。そんな彼が手に持つ瓶を想像しながらデザインしたのがこちらのブローチ。
立体的にあしらわれたブドウは、実をパールで、葉をイエローゴールドに洋彫りで表現。瓶は梨地仕上げ、縁にはミルグレーンを施し、細工の入っていない所が見えない程盛り沢山な仕上がりに。
注ぎ口から滴る水滴は、星座石のサファイア。
ブドウモチーフがあしらわれているのでソムリエの方にもお勧めです。
ギリシャ神話では魚になったアフロディーテとエロス親子が、お互いの尾を結び、離れ離れにならないようにして川に飛び込み、その二人が天に昇り星座になったとか。
その仲睦まじい二人の神話に因み、二匹の魚をサークル状につながっているようにデザインしました。
途切れることのない二匹の魚が織りなす輪は、堅い縁を表しています。
鱗をダイアモンドと彫りで表現し、二匹の対比が楽しめるブローチです。
仲良く囲んでいる星に留められているのは星座石のアクアマリン。
