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小さいブローチと大きいブローチの組み合わせはどうかしら?一緒に付けてもいいし、重ねてもいいし、別々に付けてもいい。そんなブローチが欲しくてデザインに取り掛かりました。
花と戯れる蝶々の愛らしい姿が心に浮かび、ペンを取りました。
様々な装いに合わせられるよう敢えて色味は加えず、お花と蝶々をレースのように透かし細工で表現。
色味は一色ですが、重なり合うレースの花は全て柄と大きさが異なります。
また、お花一つ一つに放射状に入れた洋彫りが複雑な輝きを放ち、さりげなく付けられた段差も相まって、退屈な印象を与えません。
蝶々もお花と雰囲気を合わせ、レースを思わせる柄を羽に入れました。
蝶々は花の周りを漂ったり留まったり。
二つのブローチは重ねても別々にもお使いいただけます。
海を訪れた時、寄せては返す波が生み出す模様に魅せられ、飽きることなく眺めている事があります。
その模様は一つとして同じ形がなく、儚く消えていく泡がまるで生きているレースのようで、それをジュエリーで表現したくなりました。
まずは波のブローチを。ごく薄く段差をつけて、重なり合う波を表現しました。
極限まで細く透かしたホワイトゴールドは水面を、ダイアモンドとミルグレーンは泡立つ波を模しています。
そこには亀とタコが寄り添います。
亀は生まれて海へ帰るところなのか、タコと共に波間に遊びに来たのか。
そんな想像をする楽しさを味わって欲しくてデザインをしました。
愛らしいミツバチはその姿から想像がつかない程に働き者。
働きバチは生まれて直ぐに仕事が課せられます。
成長するにつれて巣の掃除、子育て、巣作り、蜜や花粉集めと役割が変化していくのだとか。
その中で巣作りは特に重労働。
自らミツロウを分泌し、唾液と混ぜて巣を少しづつ作っていきます。
命を削りながら巣を大きくしていくというその事実に心打たれ、生まれたのがこのハニカムとミツバチのブローチ。
ハニカムは大きさを変え、ゴールドとダイアのコントラストを付け、退屈にならないようデザインしました。
繊細な線とミルグレーンが上品な印象を与えます。
ミツバチは可愛らしいフサフサの毛を表現したくて、部分によって彫りのテクスチャーを変えてみました。
蜂の巣に留まったり、飛び立ったり。付け方を変えて楽しんでいただきたいブローチです。